弁護士リーダー50 (1)

27 November 2025


弁護士でリーダーの資質を持った方を見つけるのは難しい。そう言われる日本の法曹界ですが、リーダーたる弁護士は間違いなく存在します。Just Legalでは、日本の法曹界で活躍する50人のリーダーにお会いするプロジェクトをスタートします。今回紹介するのはPayoneer Japanの代表取締役であるRobyn Nadlerロビン・ナドラーさんです。


ロビンさんはオーストラリアの弁護士としてBig Lawでキャリアをスタートし、法律・コンプライアンス・規制対応・組織運営と、携わるポジションごとに自在に変化されてきた方です。現職の「代表取締役」という役職はその変化の一つにすぎず、状況に応じて弁護士、ビジネスパーソン、リーダーと変容しています。


「リーダーシップとは肩書きに表れるものではないです。複雑な状況に明確さをもたらし、皆を同じ方向へ導く力を持つことがリーダーシップだと考えています。」(ロビン)


日本での経験も長く、日本語も流暢。外国人としては極めて稀で、日本の規制環境や金融当局の思考を深く理解されており、国内企業でも難しいこの領域で確かな評価を築いています。


「日本の規制環境は、単にルールや法律を理解するだけでは不十分です。重要なのは、規制当局がどのように考えているのかを理解することです。その思考の枠組みを掴めば、全体像は一気に見通しやすくなります。」(ロビン)


また、GoogleのNigel Parker氏が「弁護士は部門横断のコミュニケーションに最も長けている職種の一つだ」と語ったという話も紹介してくださいましたが、ロビンさんはまさにその体現者です。


「インハウス弁護士は、リスク部門、オペレーション部門、プロダクト部門、コンプライアンス部門など、通常は分断されがちな領域をつなぎ、部門間の“翻訳”ができる存在であるべきです。我々の価値は、バラバラに見える点をつなぎ合わせられるところにあると考えています。」(ロビン)


ロビンさん、お忙しい中お時間をいただき、貴重なお話をありがとうございました。ロビンさんのコメントは次世代のリーガルリーダーにとって大きな励みとなるはずです。